パッシブデザイン5つのデザイン その4『昼光利用』


今回のパッシブデザインのお話は、5要素のうちの4つ目『通風(自然風利用)』についてご説明します。
一年中を通して日中はできるだけ照明器具に頼らず、明るい室内空間を実現するのがこの手法です。

昼光利用は2つの手法に分類できます。
まずは昼光利用の基本である『採光』からご説明します。

①採光(昼光利用の基本)・・・窓を設け、自然光を採り入れる


昼光利用の設計における原則は「できるだけ多面採光を取る」ということです。
ひとつの部屋の複数の面に窓を設けるほど、安定した光環境が得られます。
快適な明るさがどれくらい必要かは部屋によって異なり、一般的には日中の滞在時間が長いLDKは2面採光以上が望ましく、それ以外の部屋でも1面以上窓を設けるということを意味します。


次は、2つ目の手法『導光』についてです。

②導光 ・・・建物に入った光を、できるだけ奥に導く(光を拡散させる)


採光だけでなく導光を考えることによって、日照条件が悪い土地での工夫ができたり、暗くなりやすい部屋を少しでも明るくすることができます。
導光で最も一般的なのが、吹き抜けです。

上の階に入った光を下の階の奥まで導くわけです。
この吹き抜けは空間の広がり(視線の広がり)をもたらすだけでなく、パッシブデザインにおいて自然風利用、昼光利用、日射熱利用暖房の3つの手段に有効となります。

この他にも、明るい部屋と暗くなりそうな部屋の間仕切り壁の上部などに欄間やガラスを設けて光を通したり、天窓や高窓を利用して光を導いたりするテクニックがあります。



こうした手法を利用することで、照明いらずの生活で少し得した気分になりつつ、自然の光を感じながら気持ちよく過ごすことができます。


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